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非常識天然奇行浪漫譚

日本語したため屋の備忘録です

それを言っちゃあ、お終いよ

愚痴

ほとぼりが、もう冷めただろうから

書くんだけど、少し前、ネットの

ニュースで、某有名小説家が、

自著を古本で買われたら上りが少ない、

と嘆いている記事を目にしたのだった。

 

この小説家の名は、誰でも一度は

耳にしたことのある名の通った大家であり、

よしんばその名を知らなかったとしても、

作品名はきっと知っている。

 

映画化、アニメ化、ドラマ化、先の大家の

作品がメディアミックスされた本数は

ケチのつく数字ではない。

 

その巨人が「上りが少ない」とは何事か。

いや、理屈は分からないでもない。

その通りだと思う。

しかし著者の意地として、「新品で買って

手元に置いておく価値があるよ」と発言する

のが筋ではないか。

通信技術の向上によって一部の分野が

憂き目を見るのは当然だし、何より、

あんたはまだマシだろうと思った。

 

 

別の例を出す。

ある日本の、これもそこそこ名のある

ミュージシャンが、「苦労して作った曲を

ダウンロードなんかで聴かれたんじゃ、

次の曲を作る制作費を稼げない。どうか

CD買ってくれ」とこれも煽りを食っている

音楽シーンの一般的な嘆きっぽく発言

していた。先の小説家と、まあ、同じ括り

である。

 

でも、その発言に対する解決は、小説家なら

版元、ミュージシャンならレコード会社が

努力すべきもので作った本人が、「仕組みが

悪い」とあまり声高に叫ぶのは下品に思える。

 

ミュージシャンの例で言えば、誇り高く

「ジャケットもこんなにも綺麗だし、歌詞も

聴くだけじゃなくて、読めばまた感じ方が

違うから」と品質でもって訴えかけるのが

本来だ。「上り」だけで言えば、CDよりも

ライブに足を運んでくれる方が絶対いい。

だったら最初からそう言えばいいのだ。

CDなんかより、生で聴くよさを感じてくれ、

と。

 

言いたいことはわかるし、そうだと思う。

でも、ここは意地なんじゃないのかなぁ。

作り手はいいものを作り続け、マネージメント

を信じるしか。作り手が売れないことを仕組み

のせいにすると、そいつは終わるような気が

する。